日本の歴史上の刀。14世紀の武将 楠正成(くすのきまさしげ 生没?-1336年)の佩刀。 現在は天皇家の御剣。国宝。明治天皇はことのほか愛でていたという。
備前の名匠、長船景光の作刀。刃長 実測74cm、反り2,9cm作刀当時の茎(なかご)が二寸 約6cm以上も 切断され磨り上げられた状態。元享二年(1322年)五月作の銘が残る。
刀身を飾る棒樋と竜の彫物が名前の由来。かつては刀身にみえていた竜が磨り上げらをれて
柄の中に隠れわずかに鍔元に顔を覗かせてるという。
大楠公なき後、河内国のどこかにあるといわれながら長く所在不明だったが幕末に発見され
彦根藩井伊家が所有。つながりのあった御様(おためし)御用首斬り役の山田家に委ねられ
維新後、明治天皇に献上された。
楠正成は、南朝の後醍醐天皇をたすけ、鎌倉幕府を葬った陰の功労者といわれる。最後は湊川の戦いで
足利尊氏らの軍を迎えうち敗死。
のちに『太平記』や忠孝の臣としての政道の書などで虚像実像入り混じり語らえた英雄。
鎌倉幕府も末期、各地に興った武装勢力「悪党」(強い といった意味あいでの悪)だが
仕事は護衛的なものをしていた。
『太平記』では出生を信貴山の毘沙門天にむすびつけられ、智謀無双の武将とされた
。由比正雪が楠流兵法を唱えるなど虚実まじった人気があったようだ。
参考資料
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名刀 その由来と伝説 (牧秀彦:著 光文社新書)
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日本架空伝承人名事典 (平凡社)
他
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