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クニクズシ 国崩し くにくずし

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日本の歴史伝承の武器。1500年代頃の射石砲、石火矢、石火箭のことで「国を滅亡させる」と解せられる、 と日葡辞典にある。 名前の意味は「国土を崩す」。

初期の大砲は鉄の玉、弾でなく石を打ち出す射石砲だった。(丸く球形にした石の砲弾) 1500年代頃にフランキー砲(仏朗機 フランク人の砲[当時のポルトガル人スペイン人、南蛮人の砲]の意味)が 中国、日本に入っていた。

大友宗麟(生没1530-1587年)が攻城戦に用いていたという。火薬の量の割りに殺傷効果が薄かったので対人ではなく、ということらしい。
(同時代、オスマントルコがコンスタンティノープルの城壁を破壊した大砲も同じような兵器だった)
『武家名目抄』雑部・国崩 大友興廃記云 <薩州臼杵打出条> に「先年南蛮国よりわたりたる国崩と 云大の石火矢城中に有」と。
『信長記』『伊達日記』『箕輪軍記』にも記述がみられる。

他に
浄瑠璃『源頼家源実朝鎌倉三代記』-五 「湖の前に死人の山を築、大将の目慰と舩より出す国崩し(クニクヅシ)」
洒落本『青桜女庭訓』-春 「又さんだっても是から、千歳屋へ入らっしゃれば、ソリャア国崩し*さネ」
*弾が戻ってこない 鉄砲玉と同じ意味

ヨーロッパでも初期の大砲は火薬で脅かす意味合いが強かったようだ。 「クラッキー・オブ・ウォー」という名称が14世紀のスコットランドにあるようだ。

また中国ではこの時代の大砲や銃火器に「五雷神機」「神機」というような呼称を使い、 その部隊を「神機営」といったりした。火薬を使った「神火飛鴉」という武器もあった。

参考文献
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
武器事典 (市川定春:著)
・戦争の世界史 (W・マクニール著)

 

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