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ネザメ 寝覚 ねざめ >>関連項目一覧日本の歴史伝承、北条時政の武器、守刀。「ねざめ(ねさめ)」は「いざめ(いさめ)」ともいう。 (北条時政[生没1138-1215年] 鎌倉幕府初代執権[在職1203-1205]。源頼朝の妻政子の父。頼朝の死後、二代将軍頼家を殺して 実朝を擁立し初代執権となる。後に実朝の謀殺もたくらんだようだが失脚) 浄瑠璃『源頼家源実朝鎌倉三代記』にでてくる。この物語自体は江戸の出来事を過去の 人物におきかえて風刺するという当時の演劇のスタイルによる。 史実や記録に守刀「寝覚」があるかを当辞典筆者は確認できなかった。 浄瑠璃『源頼家源実朝鎌倉三代記』-七 「誠に是は時政公の寝覚と名付しお守刀。扨[さて]は割符(ワリフ)に遣はれしか」 時政の娘、時姫が敵将の母の看病に行っているので連れ戻すのに、使者に 時政の守り刀を、割符代わりの証明に持たせた。しかし時姫は惚れた敵将に時政を暗殺するように 説得されていた。 関係はなさそうだが文芸作品に「寝覚」を冠したものがある。 能楽の曲名に『寝覚』がある。古名は『三帰(みかえり)』。 脇能物。観世流。作者未詳。長寿の薬を「寝覚の床」という土地に求める物語。 三帰の翁(おきな)から長寿の薬をもらうため信濃国寝覚の床(長野県木曽郡上松町)*に遣わされた 延喜帝(醍醐天皇 885-930年 第60代天皇)の勅使が老きこりに 翁の居場所をたずねると翁当人だった。薬を後ほど与えると立ち去ると、やがて 天女をつれた翁と二龍が現れて舞を舞った。 三帰の翁は長寿の薬を三度のんで千年生きたという。 この地は役行者(えんのぎょうじゃ)が修行した地だともいう。< 平安時代に『夜半の寝覚物語』という作品もある。 *寝覚の床:長野県南西部、木曽川の景勝地。 浦島太郎の伝説があり、竜宮から帰った浦島はこの地に住んだが、ある日玉手箱を開くとたちまち翁になり、 立ち去ったという。竜宮城が寝覚ノ床の下にあるとも。崖上には浦島太郎が残したと伝わる弁財天が祀られる 臨川(りんせん)寺がある。 寝覚めの床は、日本語的には 「眠りからさめて、そのまま臥している寝床」。 『源氏』(1001?-1014年頃) 須磨「とも千鳥もろごゑになくあか月はひとりねさめのとこもたのもし」 『後拾遺』(1086)秋上・二九一「鹿の音ぞねさめの床にきこゆなるをのの草臥露や置くらん」 参考文献 ・ 日本国語大辞典 〔精選版〕 1 ・大辞泉 (JapanKnowledge) ・日本大百科全書 (小学館) 関連項目一覧
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