神話辞典  世界の神話  大項目  50音 

リョウメンスクナ 両面宿儺 りょうめんすくな Ryomen Sukuna

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日本の飛騨地方(岐阜県あたり)に伝わる伝承の怪物、怪人、鬼神。飛騨(ヒダ)の人々を護るとも伝わる。

顔が2つ、手が4本あるという。人より優れた力があったようだ。

『日本書紀』に記述があり、仁徳天皇六五年条に「六十五年、飛騨国有一人。曰宿儺。其為人一体有両面。面各相背。頂合無項。各有手足。 其有膝面無膕踵。力多以軽捷。左右佩剣、四手並用弓矢。是以、不随皇命。掠略人民為楽。於是、遣和珥臣祖難波根子武振熊面誅之。」とある。
(現代語趣意 飛騨の国に宿儺という人物がいた。...2つの顔は互いに背き合い、頭の頂きでくっついているので首すじが無い。...足の膝はあるが、膝の裏のくぼみや踵が無い。... 仁徳天皇は、和珥臣[わにのおみ]の祖先の難波根子武振熊[なにわのねこたけふるくま]を遣わして宿儺を誅殺した)

作家の坂口安吾氏が「両面スクナ伝説」に言及している著述がある。スクナがいたという洞穴に取材に行った際ノートを落としてしまったらしい。

宿儺という名前を素直に解すれば、「儺」とは、追儺(ついな)の時に追い払う疫病の神のことで、「儺を宿す」という名は天皇の命に随わず誅されたという紀紀の記述と一致すると思える。
ただ、名前や素性については様々に論じられている。名前の近似からスクナヒコナとの関係についての説もある。

参考資料
飛騨の鬼神 両面宿儺の正体 (廣田照夫:著 桐谷忠夫:解説)
幻想世界の住人たち 4 日本編 (Truth in Fantasy 9) (新紀元社)
広辞苑 第六版(「儺」他 ※宿儺の記載無し)

 

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