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テコナ 手児名[手児奈] てこな (美少女 女神 くしなだひめ >>関連項目一覧


または、てごな。
日本の伝承。下総国勝鹿(葛飾)の真間(まま 現在の千葉県市川市)に住んでいたという美しい少女。 名前の意味は「手児」に接尾辞「な」を付け親しんでいう言葉。「手児」は父母に抱かれて育てられる児、赤ん坊、幼児。 愛しいおとめ。
たいへん美しかったが貧しい身なりをしていた。 (あるいは不幸な境遇で貧しい身になった)
それで求婚者が多かったというが、 しかし世をはかなんで身投げして亡くなったという。
もともとあった古い伝承が国府のできた国府台(こうのだい)で多少、話が変わったようだという。
国府台にはこの手児名を祀る神社がある。
万葉集に多く詠われている。

中国の甲骨文字研究者でもある郭末若が日本の市川で暮らしていた時の事を書いた著作の中で
「…江戸川の上下流と対岸の東京郊外が眺められた。山の麓のほど遠からぬところに女神 手児奈[テコナ] を祭ってある神社のわきに、私たちは新築間もない家を見つけた」と記述がある。



万葉集-9・1808
「勝鹿の真間の井見れば立ちならし水汲ましけむ手児名思ほゆ」(高橋虫麻呂歌集)


万葉集-山部宿禰赤人
「古へに 在りけむ人の 倭文幡の 帯解きかへて 伏屋立て 妻問しけむ 葛飾の 真間の手児名が 奥つ城を こことは聞けど真木の葉や 茂りたるらむ 松が根や 遠く久しき 言のみも 名のみもわれは 忘らゆましじ」
反歌「われも見つ人にも告げむ葛飾の真間の手児名が奥津城處


万葉集
「葛飾(かづしか)の真間の浦廻(うらみ)を漕ぐ船の船人騒ぐ波立つらしも」(作者未詳 東歌)
 [可豆思加乃 麻万能宇良未乎 許貝布祢能 布奈妣等佐和久 奈美多都良思母]

「葛飾の真間の手児奈をまことかもわれに寄すとふ真間の手児奈を」(作者未詳 東歌)
 (本当だろうか、真間の手児奈と私がいい仲だと噂しているという。真間の手児奈と。)

「葛飾の真間の手児奈がありしかば真間の磯辺(おすひ)に波もとどろに」(作者未詳 東歌)






なお市川の「市(いち)」には「神との交易の場所」の意味もあるらしい。

参考文献
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
・市川の文学 (著:市川市教育委員会)
・市川市公式サイト内  市川のむかし話『真間の手児奈』
手児奈堂 tekona.info ・http://www.tekona.info/

 
関連項目一覧
日本 【文化地域項目】
女神 【大項目】

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