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鉄砲斬り兼光 てっぽうぎりかねみつ

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日本の歴史上の刀。上杉謙信の佩刀、備前長船兼光の太刀の異称。

謙信は弘治二年(1556)三月、川中島の戦いで、陣地周辺の見回りの際、 武田の家臣、輪形月(わかつき)半太夫が種子島銃を持ち忍び寄った。危機を察知した謙信は、 備前長船兼光で斬りつけ、鎧の上から深手を二太刀あたえた。
種子島銃も両断したという(鉄砲斬り)。

架空の、伝承だけのエピソードだともいうが、当時最先端ガジェットの火縄銃が 物語られ、武将の強さを誇示しようというのもうなづける。

長光、兼光の太刀を好み多く所有していたという。武田信玄に三太刀七太刀斬りつけ、信玄が軍配で応じた という場面の戦闘では「小豆長光」を用いていたとか。
備前国の長光は正応年間(1288-1293)、兼光は延文年間(1356-1361)に活躍した名工。

別の伝承でも鉄砲切りが伝わる。信濃国で布陣したさい、近習ひとりの供づれで、矢来をめぐらせた 陣地外を巡視した。風雨の闇の中から人影が近づいたので、太刀で斬りつけると敵の武者で 肩から腰まで切り下げた。こちらは鉄砲斬り助真(すけざね 一文字助真の作)として現存する。 現存の刀はすりあげられ、二尺にみたない大脇差となっている。 こちらの話は信憑性があるらしい。

参考資料
名刀 その由来と伝説 (牧秀彦:著 光文社新書)

 

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