アフリカ、ナイジェリアのヨルバ民族の神話。至高神。「天の主」とも呼ばれる。オロルンのもとに401の神々がいるという。エシュという息子がいる。
オロルンは原初の世界で他の神々と共に天に住んでいた。地上はなく、水に覆われた世界が広がっていて、神々は時々クモの糸を伝って下界に遊びにいっていた。
ある時オロルンはオバタラに命じて固い大地を作らせた。カタツムリの殻に土を入れ、鳩と5本爪の雌鶏を連れて下界に降りたオバタラ神は土を水の上に置き、鳩と雌鶏にその土を蹴散らさせて固い大地を作った。
オロルンはカメレオンを送って大地の様子を調べさせた。最初は「広いが乾いてない」、二度目に「広くて乾いている」と報告した。そこを「イレ・イフェ」(乾いた土地の意)と名づけ、そこが後のヨルバ民族最古の都になったのだという。
オロルンは次にオバタラに人間を作るよう命じた。粘土で作られた人間にはオロルンが生命を吹き込んだ。しかしオバタラは作業の途中でヤシ酒を飲みすぎて奇形の人間を作ってしまった。これがイグボ民族になったという。酔っ払ったオバタラは呼び戻され、かわりにオドゥドゥアがつかわされ、作られたのがヨルバ民族であるという。オドゥドゥアはイレ・イフェに王国を作り最初の王となった。
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