太平洋諸島のバヌアツの伝承で、活力をもたらす植物の精霊。
カヴァを木生シダの幹に入れて美しい形に育てたもの「ニカヴァ・タプガ」に宿るという。 このカヴァの木は正式な贈り物になる。
これで作られたカヴァ飲料を飲むのは、族長や位の高い人だけの特権だった。 古来の風習では族長や位の高い人は一般の人より精霊と親しい関係にあるとされた。
ペンテコステ島の神話では、栽培されたカヴァの起源が語られている。
最初の先祖たちが島に住みはじめたころの事。ある姉妹が海辺の潮だまりでヤム芋の泥や皮をとるためしゃがんだ。
そこの岩の間には舟でたどり着いた戦士が一株のカヴァの木が隠していた。そのときちょうど緑の芽をのばし女のひとりの股にはいりこんだ。
女が体の中に喜びを感じていい気持ちになり、姉に確認してもらうとカヴァの若木だった。これは他と違う特別なカヴァだと思い、持ち帰り庭で育てた。
男たちは森や山の野生のカヴァを飲んでいた。姉妹は里派に育ったカヴァの根を噛んで飲み物のカヴァを作り男たちにふるまうと、とても良い気持ちになり
確かに特別なカヴァだった。それ以来、庭で育てたカヴァが飲まれるようになった。
参考資料
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カヴァ―楽園に眠る自然薬 (著:クリス・キルハム)
他
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