幻想世界神話辞典 〜
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人喰い刀エペタム >>関連項目一覧 (北東アジア・アイヌ) あるアイヌの酋長の家にあったエペタムという人喰い刀。祈りをこめればひとりでに飛んでいき敵を追い払う。しかし、止める方法を知っている老人たちが、皆亡くなってしまったため、蒲のむしろの包みにしまい決して開けないよう言い伝えられていた。 ところが、ある時、包みから稲妻の様な光がさした。その日の夜、包みの中からカタカタと音がして、光の尾をひきながらエペタムが飛び出し、人を斬り殺した。包みは、山へ捨てられ、また石の重しをつけて川へ沈めたが、いつのまにか戻っていた。 旅人の話では「石を食っていればおとなしい」ということなので、鉄の箱にしまい、まわりに石をおいてやった。夜中に、石を食べているのか、キリキリ音がした。おとなしくなったと思ったが、一ヶ月が過ぎた頃、再び人が斬られた。人々は泣き叫んで神に祈った。すると、ある夜、神が現れて「ホトイパウシの下にあるアサムトオという底無し沼に行き、ほとりの大岩に祭壇をつくり祈ればよい」と告げた。 言われた通りの場所で祈りを捧げると、大岩が二つに裂け、美しいエゾイタチが現れた。「山の神の使いが現れた!」と酋長は刀の包みを捧げ、「刀をあずかって、二度と村に現れないようにして下さるなら、波をしずめて下さい」と必死に祈った。そして、風もないのに波立つ沼に包みを投げ込んだ。 すると沼は祈りの通り、波がしずまった。その時、波だと思ったのは無数の蛇だったことに気がついた。そしてエペタムが現れることはなくなった。 関連項目一覧
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