アイヌとはアイヌ語で「人間」「男」「父」の意。後に集団の総称、民族の自称の位置づけがなされたようだ。 この言葉の意味の転化の要因は、特にシャモ(おとなりさんの意)との呼称を裏切った日本民族による侵略に対して、 アイヌの諸集団がその枠を超えて団結するように迫られたため、または、日本民族側による枠づけがされたためだと 考えられている。
アイヌ民族の居住地域は、現在の北海道、奥羽地方北部も含むアイヌモシリ(人の住む静かなる大地の意)、 樺太、千島列島、アムール河下流域、カムチャッカ半島南端にまで及んでいたようだ。 ただし松前藩の時代の北海道アイヌと広義の他地域のアイヌは言語が通じないなど違いが大きい部分もある。
樺太のアイヌ民族は「エンチュ enchiw」または「エンジュ enju」という古語、雅語の自称をもっていた。
口承文芸・叙事詩として、ユーカラ(詞曲の意)があり、棒で拍子をとり、節をつけて語るもので。 広義では、自然神・人文神が来歴などを語る形式のカムイユーカラを含み、狭義には、 少年ポイヤウンペの武勲・遍歴を物語る長編の英雄叙事詩等をいう。
2009年の報道ではアイヌの血を受け継ぐ人は5万-10万人といわれ半分は都市圏に住んでいるという。
※アイヌ語(一部)
カムイノミ おいのり
オド おじいさん
ポンヘカチ こども
ヤンカラ 焼酎
サヨ めし
ウエンペ 悪い人間
アイヌ ネノアン アイヌ 人間らしい人間
チセ 家
チャランケ 談判
サロルン カムイ 湿原の神(タンチョウ)
関連項目一覧
アペフチ・カムイ (アイヌ:女神:火)
エペタム (アイヌ:武器)
オキクルミ(オキキルムイ) (アイヌ:神:英雄)
カムイ (アイヌ:神)
カンナ・カムイ (竜神)
クトネシリカ (アイヌ:武器:刀)
クナシリ(国後島)
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