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ネハン 涅槃 ねはん(ニルヴァーナ) >>関連項目一覧


仏教の伝承、思想。「涅槃 ねはん」はサンスクリット語ニルヴァーナnirvana(nirvamacrnsubdota)の音写。「吹き消すこと」の意。

煩悩の火を消して、知慧の完成した悟りの境地。一切の悩みや束縛から脱した、人間の本源的な迷いに紛動されない境地。 仏の悟りを得た境地。仏教と同時代におこり栄えたジャイナ教も、この語を同様の意味で用いたという。

あるいは釈迦(シャカ)の死、入滅。後にでてくる「死んだら仏になる」「死ぬこと=涅槃」といったニュアンスは仏教を正しく解釈するなら 当然であるが、間違いである。が民衆にはそのように受け取られることもしばしばある。

またシャカの最後の言葉は「怠ることなく修行に励むように」(趣旨) とあるように、涅槃とは完成された状態ではなく、常に自身を磨くことの中にあると考えられる。 涅槃に到ったら終わり、というものではない。釈迦も悟りを得た後で民衆救済の苦悩の道を選んだ。

釈迦が生涯最後に説いたものは「涅槃経」といわれている。
「大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)」といわれ、 ・小乗経典(3巻) 法顕(ほっけん)訳。釈迦の入滅前後のことを記したもの
・大乗教典(40巻本) 曇無讖(どんむしん)訳。(北本) 慧厳らが北本を修正した36巻本(南本))
 釈迦の入滅前に説いた教説、一切衆生にはすべて仏性が備わり、成仏できると説いたもの
とがある。

また「涅槃会(ねはんえ)」の略でもある。 陰暦2月15日の釈迦入滅の日に行う法会で、涅槃像をかかげ、遺教経(ゆいきょうぎょう)を読誦する。 涅槃講、常楽会ともいう。春の季語でもある。「涅槃会や心よい日の兆典司(てうでんす)/太祇」

後世、教義の解釈の深化があり、涅槃についても、修行者がどれほど努力しても、 到達しうる境地は、この世に生存して肉体を維持している限り、不完全な涅槃、有余(うよ)涅槃、 有余依(うよえ)涅槃、であり、死後に初めて完全な涅槃(無余または無余依涅槃)に至ると考えられた。 これは煩悩の消滅は肉体の消滅と結論付けてしまった小乗教的理解で、現実の生活上からは離れてしまう。

大乗仏教においては、涅槃という特別の境地が実在するという考えを排し、涅槃そのものは有でも無でもなく 空(くう)であるとして、日常の生活のなかにその実現を目指した。(生死即涅槃(しようじそくねはん)。

釈迦の入滅(肉体の死)はとくに「完全な涅槃」、般(はつ)涅槃[パリニッバーナparinibbna、パリニルバーナparinirva] と呼ばれる。

 
関連項目一覧
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ニルヴァーナ 【仏教:思想】

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