またはアスモデウスAsmodeus (審判する創造主)とも。フランス語綴 アスモデ Asmodee。 シュドナイSydonayという異称も。他、アシュメダイ、カマダイ、アスモダイも関連するが同一ではない。 ソロモンの72柱/霊/悪魔の一人であり、 エノクのデーモンでもある。デーモン学の中で重要なデビル(デヴィル)。
名前はアエシュマという語に由来するという。ユダヤ教の文献『タルムード』ではアスモデウスは
スケディム(Schedim ヘブライ伝承でデーモンをあらわす一般名称)の王に与えられた名であるという。
(元はペルシャからユダヤに移入した)
「怒れる敵を意味するゼンド・アエシュマデーヴァに由来する。タルムードのアシュメダイ」
(『トビト記』3:8 『宗教百科辞典』フォーロング著)
堕天する前に熾天使の君主の一人。
ドラゴンに乗り3つの頭をもつ王の姿で現れる。
3つの頭は牡牛の頭、人間、いささか牡牛に似た頭。
民間のデーモン学では算術から不可視の術まで様々教えてくれるという。また莫大な財宝を
見つけることを指示する。
『ソロモンの聖なる書』において新婚の夫婦に悪事をたくらむという。
色欲のデーモンだという者もあるようだ。
律法博士の中にはトバル=カインと妹ナアマの近親相姦で生まれた子供だとという者も。
エノクのデーモンとしては月の霊だという。エノク書(マクリーン翻訳)には 「アシュマダイはムリエルと呼ばれる一つの真実性をもち、これは昼にはボプルス、夜にはウィアと呼ばれる、 土占いの二つの形状にふくまれている」とある。
アエシュマはアエシュマデーヴァAesh-ma-dævaで、ゾロアスターの聖典アヴェスタに
記録があるようで、アエシュマAeshmaは「欺瞞的なもの」を指すようだ。
これに従えばアスモデウスのデウスはデーヴァと
同義だといえる。
ただし「神」ではなくゾロアスター教での悪魔的な意味を持つ。
参考資料
・
天使辞典 (グスタフ・ディビットソン:著 創元社)
他
関連項目一覧
ソロモン72柱/霊 (悪魔)
悪魔 (大項目)
ユダヤ (文化地域)
キリスト教 (文化地域)
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