ベテモスとも。ユダヤの伝承の魔物。レヴィアタンとは雌雄の対であるなど、共に語られることが多いようだ。レヴィアタンが海の魔物なのに対して、ベヘモトは陸の魔物であるという。
エノク書には「その日、２匹の怪物が分離され、雌はレヴィアタン(リヴァイアサン)と名づけられ、海の泉の深淵に住むであろう。だが雄はベヘモトと呼ばれ、それはデンダンと名づけられた茫漠とした砂漠をその胸で占領するであろう」と語られている。
またヨブ記によればカバと関連があるらしい（ベヒーモスを参照）。またレヴィアタンとともに想像しうる最大、最強の魔物だという。バビロニアのティアマトと関連を指摘する説もあるようだ。
あるいは旧約聖書に記述があるせいか、ヨーロッパ各地でも「地獄の番人をしている魔物で、草ばかり食べ、魔力は腰とへそにこめられている」等の伝承が伝わっている。
参考資料
・旧約聖書外典(上)(下) (講談社文芸文庫) ※下巻の「エノク書」（エチオピア語訳エノク書[第一エノク書]）は抄訳のため６０章のベヘモトの記載なし
・ユダヤの神話伝説 (青土社) ※P71に図版 １３世紀のヘブル語写本でレヴィアタンと並び描かれた牛のようなベテモス
他
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