ベヒモスとも。ユダヤの伝承では旧約聖書のヨブ記に、巨大な怪物としてでてくる。注釈書には鯨、象などといわれる。
またはヨーロッパの悪魔学者たちには、象や大型獣の姿で、大食いの魔神(デーモン)であるといわれるようだ。
威張っていて、鈍重、愚昧、がっしりと逞しく、美食・大食を領分とするという。
地獄でソムリエ(膳部官)、酌人頭を勤めるとも。
ヨブ記第40章にはベヘモスは牛のように干草を食べるとあり、ユダヤ教のラビたちはメシア(救世主)の宴のための
とっておきの見事な牛だとし、ユダヤ人はいつか救世主の宴でこの肉を食べられることを楽しみにしているという。
この巨大な牛は毎日1000の山に生える干草を貪り、天地開闢以来肥り続けているという。この山々の草は一晩で元に戻るという。
神はベヘモスを殖やさないため牝の方を殺してしまったという。
そのほかベヒモスは、17世紀のフランス・ルーダンでの悪魔憑きに関する裁判(ユルバン・グランディエの裁判)では
ベヘモスは魔神に相違ないとされているという。
悪魔学者ヴァイヤーの著書「悪魔の眩惑について」第1巻第21章でベヘモスあるいは象がサタンそのものである可能性があり、
強大な権勢を誇ると記述があるという。
ド・ランクルによるとベヘモスは様々な大型獣の形態をあわせ持つため巨大な動物と思われたり、犬、象、狐、狼に化けることもあると いっている。
(旧約聖書[タナハ]一覧 ヨブ記はIII「諸書」の中)
関連項目一覧
ベヘモト 【ユダヤ:巨大な怪物】
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