レビヤタンとも。「リヴァイアサン」は英語読み。ユダヤ教の神話にでてくる巨大な蛇。 名前は「とぐろを巻いたもの」の意。ユダヤ神話では終末の時の大宴会で、 この蛇の珍味な肉が振舞われるという。
エノク書には「その日、2匹の怪物が分離され、雌はレヴィアタンと名づけられ、 海の泉の深淵に住むであろう。だが雄はベヘモトと呼ばれ、それはデンダンと名づけられた 茫漠とした砂漠をその胸で占領するであろう」と語られている。ヨナ書のアッガダーには、 海を沈めるために海に放り込まれ、魚に飲み込まれたヨナが、「レヴィアタンに食われそうだ」 という魚を助けるのに、レヴィアタンに「この世の終わりの時、お前を海から引き上げ、 来るべき世の義人たちに食べさせてやる」といって恐れさせて魚を助け陸へ返してもらった、 という話がある。
中世ヨーロッパのキリスト教では「すべての高慢な者たちの王」として地獄と同一視され、 巨大な口がその入り口として描かれた。
またニムロデ王の魔法の衣はレヴィアタンの皮でできていて、着る者を無敵にするという。
近世ではイギリスの政治学者トマス・ホッブズ(Thomas Hobbes 1588-1679)が1651年に著作 『リヴァイサン』で名前を使った。 強大な国家悪をこの海の怪物に例えた題名のようだ。
関連項目一覧
ユダヤ (文化地域)
ドラゴン、竜 (大項目)
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