エジプト神話伝承の女神。名前の意味は字義通りだと「腰掛け」、あるいはイシスを 表す象形文字が玉座になっている。 イシスの膝がエジプト の玉座をあらわす意味をもつとも。玉座を擬人化したのだとも。また翼をを広げ人々 をかくまい護る姿でも描かれる。
ゲブとヌトの娘、オシリス神の妹であり妻。ホルス神の母。
子供のホルスを膝の上に抱き授乳させている姿でも描かれる。
太陽の円盤と雌牛の角をつけて描写される場合はハトホルと同一視された場合であるようだ。
オシリスを助け、女性に小麦をひくことや、機織りを教えた。
天の川はイシスが手にもつ小麦の穂から白い粒が落ちたものだという。
※天の川関連の伝承、またはイシスに関する伝承の中にはローマに伝わった後で加わった
要素があるようだ。
病気を治す方法や、結婚の儀式もイシスによってはじめられたという。
オシリス復活の神話で重要な役割をはたした。
セトに殺されたオシリスの遺体の入った櫃(ひつ)がナイル川を流
された時、イシスは悲しみ髪を切り喪服を着て
探しにいき、海まで流れていった櫃をレバノンのビュブロスで、流れ着いた場所で
急成長した樹にとりこまれていたものを、いろいろあって取り戻してきたが、セトにみつかり、
遺体は今度は14つにバラバラにされた。
イシスはばらばらの身体を集め(男根だけは魚に呑まれ無かったが)癒しと魔法の力で蘇生
させたともいう。
またオシリスが黄泉の国に去る前に息子ホルスをもうけたという。
ある伝説では言ってはいけない太陽神ラーの名前をみつけだした物語がある。
現世の事柄に飽きたイシスは耄碌している太陽神の名前を使うことで女神になろうと決心し、
ラーの唾をいくらか集め土と混ぜて蛇を創造し、ラーの通る道筋においた。
蛇にかまれ毒にやられた太陽神に名前を発声するように勧めた。
その名前の神性が誰でも口にする人に生命を授けたからである。
とうとうラーは名前を口にしイシスはラーの力の一部を盗んだ。
その後イシスはシリウス星として輝いた、という。
イシス信仰はエジプト中に広まり、ギリシャ、ローマにも伝わった。人気からか
多くの神格を持つようになったとも。大母神、鳥の神(燕に化身する神話もある)、
死者に生命をもたらす黄泉の国の女神、
原初の水の女神でもあったという。
後にローマなどでキリスト教時代に入ってイシス崇拝の
イメージが聖母マリアと結びついたと考える説もある。
クレオパトラの石碑の姿もイシス女神になっている。
参考資料
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他
関連項目一覧
エジプト (文化地域)
オシリス (神)
セト (神)
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary