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ユール Yule 北欧、ゲルマン >>関連項目一覧北欧、ゲルマンの伝承だが、キリスト教化されたヨーロッパの中で残っている。 ユールYuleという語は10世紀の文献にみえ、古北欧後からの借入語でキリスト教以前の冬至祭のことから、北欧でのクリスマスのこと。 ユールは冬至で、太陽が再び力強い生命を持つ日が新年で、盛大な宴をした。 オーディンやフレイ、ニョルド、ソールなどにビールや猪豚などを捧げた。豚やビールは穀物霊や豊穣と関わるものだった。 現在でも北欧、ドイツのクリスマス料理は豚肉でユール・シンカ(クリスマス・ハム)などが準備される。 食べ物を並べる食卓はユール・ボードといい、この日に現れる霊たちに特別に用意される。季節の変わり目、農作業の節目には 祖霊、悪霊が人里に現れ、災いすると信じられ、冬至は特に重要で死者の霊、悪魔、妖怪、魔女、悪鬼など大挙して現れるという。 夜の訪問者はユールレイエンと呼ばれ、オーディンが白馬に乗って軍団を率いるという。 (ワイルドハント) ユール・ボードは戦いで死んだ者に用意され、安らかな死を迎えた者には埋葬されている墳墓にお供えがされた。 1月6日の公現節までユール・ボードは用意され、そうしないとクリスマスの幸せがでていく、とされた。霊たちのご機嫌をとり 平安に新年を迎えるということのようだ。1月7日にはドアや窓をあけて「ユールよ、出て行け!」と壁を叩きながら叫ぶという。(節分のようである) 「ユールの丸太」というものがあり、森で巨木をとってきて飾りつけ、火をつけられるという。 魔力があり、太陽がより輝くのを助けるという。炎でできる影に頭がなかったらその年に死ぬとか、灰は病気をなおし雷を防ぐと信じられた。 暖炉がなくなるとともに、この習慣もなくなっていった。フランスではこの丸太をもちよった習慣がケーキの形(ブッシュ・ド・ノエルbüche de Noël) に残っている。 関連項目一覧
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