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クリスマス[イヴ] Christmas [EVE]、Xmas

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名前の意味は「キリストのミサ」、キリスト祭。12世紀から使われている。古い形にCristes maesseも。 Xmasとも書くのは省略形でギリシャ語のキリストの頭文字がXなので、 ギリシャ語ではXはキリストを表す語。12世紀から使われている。 X'masとアポストロフィーをつけるのは誤りだという。イヴeveは 「(休祭日・教会祝日などの)前夜、前日」のこと。Christmas EVE。

ユールYuleという語は10世紀の文献にみえる。 古北欧後からの借入語でキリスト教以前の冬至祭のこと。北欧でのクリスマスのこと。

ドイツ語ではヴァイナハトWeihnachten、「聖なる夜」の意。 ゲルマン人は夜で日を数えていたので「聖なる日」と同意。 ドイツ北部ではユールを使うところも。
フランス語ではノエルNoël
ポルトガル語のナタル
イタリア語のナタリ
ラテン語のnatalisに由来し誕生を意味する。
フランス語のノエルはキャロルの意味もある。

元々ローマのサトゥルナーリア祭、北欧のユール祭などの習慣を 受け継ぐクリスマス。また、ローマ時代に人気のあったミトラ教の太陽信仰と関連した 冬至の祭、一番夜の長い日、つまり ここから太陽の力の強くなる日(北半球で共通する考え方)であり、ミトラ神が岩から 生まれたのが12月25日だともいう。 ミトラの冬至祭Dies Natalis Solis Invictiがキリスト教にとっても大事な日とされた。

過去にはクリスマスのお祭り騒ぎがふさわしくない、キリストの精神性が 大事で誕生を祝うこと自体がおかしいとの考えも。 プロテスタントは静かに瞑想し祝い、清教徒(ピューリタン。イギリス国教会の プロテスタント)は祝うこと を拒否した。クロムウェルがチャールズ一世の首をはね、共和制をしいた後、 1647年にはクリスマスを祝うと罰 を科すと決定。しかし民衆の反発は大きく同年カンタベリでは1万人が「クリスマスを 祝えないなら王に帰ってほしい」と決議。 1660年に王制が復活し、クリスマスも認められる。

新大陸に渡ったピルグリム・ファーザーズはクリスマスも休まず働いた。 アメリカでは清教徒の影響で19世紀まで違法とされている地域があった。

日本では戦国時代末期、ポルトガルなどから伝わって、キリシタン大名などの領地では クリスマスの祝祭がおこなわれたともいう。

現代では、キリスト教の文化基盤がなくとも、冬、年末の商業イベントとして広く 世界に浸透しているといっていいようだ。
日本では1960年代頃から一般的になったようである(明治、大正でもあるにはあったようだが)。

参考資料
クリスマス小事典 (現代教養文庫)
・ランダムハウス英和大辞典(ジャパンナレッジ)

 

関連項目一覧
キリスト教 (文化地域)
サンタクロース (ヨーロッパ,世界:クリスマス)
ユール (北欧,ゲルマン:冬至祭)
冬至 (中国,日本:暦,祝祭)

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