冬至(トウジ)は、狭義では、中国での暦が日本でも用いられたもの。二十四節気のひとつ。
北半球では昼が最も短く、夜が最も長い日。12月22日ごろ。太陽の中心が冬至点を通過する時。
また世界の多くの地域(特に農耕を行う文化圏)では、冬至・夏至・春分・秋分など
が重要な時期とされ祝祭・年中行事などが行われていたり
行われている。日本ではカボチャを食べたり、ゆず湯に入ったりして風邪(カゼ)をひかないように、
健康であるようにと願う。
季語は冬。「山国の虚空日わたる冬至かな」(蛇笏)
夜が最も長い日であるが、ここから日が長くなるため、冬の最中であるが(あるいはそれゆえに)太陽の復活
を願う祝祭などが行われるようだ。世界各地の冬至の祝祭は後述する。
北半球での話しであるので、伝承・祝祭も北半球中心である。
この日は太陽の光が弱まり植物も衰弱して農耕生活に一種の危機が訪れるとともに、
この日から昼が長くなり、太陽が輝き始めるときでもある。
諸民族で、この日を太陽の回復、再生、復活を願う日、また太陽の誕生日と
するような観念がうかがえるようだ。
である。また西洋のクリスマスも、もとは陽気回復を祝う風習がその背景にあったのだといわれる。
世界的にこの日は一陽来復、農耕の再生の力をもたらす神聖な旅人が村にやってくる日と信じられ、
日本では弘法大師(こうぼうだいし)が村を巡るという伝承が広く伝えられている。
小豆粥(あずきがゆ)や団子をつくって供える大師講(こう)の行事がこの旧暦11月23日夜から翌日にかけて
みられる。また、冬至とうなすなどといってカボチャを食べたり、コンニャクを食べる風習があり、
カボチャを食べると中風(ちゅうぶ)にならないなどともいわれている。またこの日は柚湯(ゆずゆ)に
入るという風も一般的である。いずれも衰弱からの再生という冬至をめぐる観念に呼応する儀礼といえよう。
世界各地の
・中国 郊天の儀
天子が冬至の日に天を祭る重要な儀式。
・日本 冬至カボチャを食べる、ゆず湯に入る風習がある。
冬至祭(まつり)も各地で行われるようだ。歌舞伎「三国三朝良薬噺(忘れ薬)」[1869]では
「隣りの家は横浜で此頃仕出した象牙師だが、冬至祭りで弟子どもの騒ぎの音で眼が覚めたが」とある。
・ヨーロッパ 冬至の行事はクリスマスが広く浸透しているが冬至の祝祭が起源、混同したものであるようだ。
・北欧、ドイツ ゲルマン系など ユール祭
ユールの丸太はフランスのブッシュ・ド・ノエルを想起させる。
・フランス クリスマスケーキは夜通し燃やす薪の大木を模したブッシュ・ド・ノエル
(ビュッシュ・ド・ノエルbu^che de Noe"l ブッシュ」はログ[木]、ノエルはクリスマス クリスマスの薪)が知られる
・イギリス ストーンヘンジは冬至の月蝕も予言できる構造だという説もある。
・北アメリカ 農耕文化でもあり、夏至・冬至・春分・秋分などが重要な時期
参考資料
・日本大百科全書 (執筆者:新谷尚紀[民俗] 小学館)
--年中行事 (定本柳田国男集13:所収 1963 筑摩書房)
--年中行事 (和歌森太郎:著 1957 至文堂)
・
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・プログレッシブ和英中辞典 (JapanKnowledge)
他
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