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ガキアミ 餓鬼阿弥[阿彌] がきあみ >>関連項目一覧


日本の伝承。よみがえった(黄泉がえった)死者。蘇生しようとしている餓鬼の、まだ生気のないもの。
餓鬼のようにやせおとろえ、耳鼻も欠け落ちて生気のない者。今風にいえばゾンビのようなものだろうか。
名称の餓鬼(ガキ)は「生前の悪行のために餓鬼道に落ち、いつも飢えと渇きに苦しむ亡者」のことだろう。 阿弥がよくわからない。 阿弥陀→ホトケ→死者という日本的な連想だろうか。

浄瑠璃の「反魂香」に「箸に目鼻の餓鬼阿弥を、夫(つま)とはさらにしらいとの」とある。
また「説経節・おぐり(小栗)判官」五(1675)では「此がきあみをくまの本ぐうのゆに入て、病へいゆう仕る、なれのはてが見たいよの」 とある。
「小栗判官」では美少女照手姫(てるてひめ)を強引に妻にしようとして父親に殺された男が、 冥途での助命嘆願で生き返るがこの「餓鬼阿弥」の姿だった。
人間の姿にもどるため熊野本宮の「湯の峯」という温泉につかるという話。

転じて、ハンセン病患者(癩病らいびょう、レプラ)のことをいった。昔から近代まで差別的にあつかわれた歴史がある。

参考文献
・日本国語大辞典 (ジャパンナレッジ)
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・少女民俗学 (大塚英志)

 
関連項目一覧
日本 【文化地域項目】
ハンゴンコウ(反魂香) 【中国、日本:死者蘇生】

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