仏教のことば。地獄の閻魔王庁にあって、死者の生前の善悪の所業を映し出すという鏡。
世界の神話でも「死後の善悪の裁き」に関した伝承は多くみられる。
玻璃(サンスクリット語sphatika)は水晶、ガラス、仏教の七宝のひとつ、のこと。浄は澄み切っていること。
書陵部本夫木-32 「照らすなるはりのかかみに罪深くしのふる恋や隠れなからん」
愚迷発心集「浄頗利の鏡の影は設(たとひ)写すこと無とも」
平家-二・小教訓「娑婆世界の罪人を、或いは業のはかりにかけ、或いは浄頗梨のかがみにひきむけて」
俳諧・新増犬筑波集「十王だうに秋風ぞふく浄はりの鏡に似たる月出て」
あるいは、転じて、鋭い眼識。いいくらますことのできない澄み切った眼識。
桐一葉(坪内逍遥)4・2「大蔵のお局さまの、浄玻璃の鏡にかかり、見顕されたといやったは」
鏡に関した伝承は、多くは無いが世界各地でみられる。
参考文献
・
日本国語大辞典 〔精選版〕 1 ※資料にしたのは紙媒体
・大辞泉
他
関連項目一覧
日本
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