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ニュクス Nyx >>関連項目一覧


ニクスとも。ヘレネス(ギリシャ)神話の夜の神。名前は「夜」の意。 原初の女神。闇、光の母、混沌の娘。
黒い衣をまとった女神の姿で描かれる。 または黒い翼もつ鳥。
性質は陰鬱で激しいとも。「眠り(ヒュプノス)」がこの女神につき従うとも。

ニュクスは、ギリシャ神話で幾つか伝わる世界創造の神話に関わる。、 ガイアとエレボスとエロスの3神が世界の始まりに存在したといい、 そのエロスはニュクスから生じたという。
風によって孕んだニュクスが銀色の卵を生んだ。この卵から、 プロートゴノス(最初に生まれた神)、風の息子、金色の翼もつ神、エロースが生まれた。 その名のひとつはパネースPhanes 「あらわし」「明るみにもちだした」である。
ケイオス(混沌)は、口をあけているこの銀の卵から全てをだしたとも。 古いギリシャ語で「空所」をいうこの言葉の原意は「口をあけている」だという。

またはエレボスとの間に多くの子、神々をもうけたという。 夜に関連したものか、死(タナトス)、命運(ケール)、夢(オネイロス)、 眠り(ヒュプノス)などがいる。
またアイテル(天の光)、ヘメーラー(昼日)を産んだとも。

先にも述べたが、いくつかある創世神話において、夜ニュクスは、海テテュス、大地ガイアとともに3つの母女神として重要である。 主神ゼウスも聖なる畏怖をいだいていたという。
詩人ホメロスにとっても最高の女神だったという。

ヘスペリデスはニュクスの娘たちとも(ヘシオドスによる。普通にはアトラスの娘たち)



参考文献
ギリシアの神話 (神々の時代) (カール・ケレーニィ:著 植田兼義:訳 中公文庫)
ギリシア神話小事典 (現代教養文庫)


 
関連項目一覧
ヘレネス(ギリシャ) 【文化地域項目】
女神 【大項目】
ガイア 【ヘレネス(ギリシャ):女神】
タナトス 【ヘレネス(ギリシャ):神:死】
ヒュプノス 【ヘレネス(ギリシャ):神:死】
アイテル 【ヘレネス(ギリシャ):神:光】

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