中国の伝奇小説 「西遊記」にでてくる化け物猿。東勝神州のはずれの傲来という 島国の果ての、海の中そびえる花果山の頂きの石が、天地日月の精華を受けて孕んだ石の卵から 生まれた石の猿。
そのうち花果山の猿の王になるが、死ぬのを嫌って仙人のもとへ行き、 修行した。そこで仙人に名前と、72の変化の術、觔斗雲の術 を授かった。
名前は、猿のことを胡孫というので、そこからとって姓を孫(ソン)、名は門人が 広・大・智・慧・真・如・性・海・頴・悟・円・覧の12組からなっており、10番目だったので 法名を悟空(ゴクウ)とした。
術を身につけた悟空が花果山に戻ると、悪魔が猿たちを苦しめていたので、 これを退治した。この時使った分身の術は、体の毛を抜いて空に投げると2、3百の不死身の小猿となって 悪魔に襲いかかった。体毛、8万4千本のすべてが変化することができるという。
ここから孫悟空の大暴れが始まる。武器を求めて四海龍王の一人、 東海龍王のもとへ行き、如意棒(如意金箍棒ニョイキンコボウ) をせしめていく。
さらに天界では、西王母の桃を勝手にたらふく食べ、老子の薬も勝手にいただき、しまいには 神にしろと言った。釈迦に「右の手のひらから、ひと飛びで 飛び出せたら神にしよう」と言われ、觔斗雲の術で大空の彼方に飛び去り、 空の果ての5本の柱に落書きして小便をひっかけてきたが、それは釈迦の手の指だった。
悟空は信じられず、もう一度飛ぼうとしたが、5本の指が金・木・水・火・土の5つの山、 「五行山」となって悟空を押さえつけた。これで後に西天取経に三蔵法師がくるまで動けなくなった。
参考資料
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西遊記 (岩波文庫)
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仙界とポルノグラフィー
他
関連項目一覧
キントウン(觔斗雲) (西遊記:魔術:雲)
ニョイキンコボウ(如意棒,如意金箍棒) (西遊記:武器:棒)
中国 (文化地域)
イラストのある項目
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