幻想世界神話辞典 〜
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人魚 にんぎょ マーメイドmermaid(マーマンmerman 半魚人) >>関連項目一覧世界各地で、海などにいると考えられた空想上、想像上の生き物。上半身が人間で、下半身が魚の形をした空想上の動物。 海や水辺が生活と関わっている地域・民族で顕著である。さまざまな伝説がみられいる。 よくしられるのはアンデルセンの童話の人魚姫だろうか。日本でも独自に人魚の伝説があり、800歳までも長生きした八百比丘尼など人魚の血肉を食べると 不老長寿になるともいわれた。江戸時代の見世物や、寺社などに干物ミイラなど作り物の人魚も存在する。 絵図では、頭が人間、体が魚のいわば人面魚的なものもある。 またよく知られる名称として、英語(ブリテン[イギリス])のマーメイドmermaid(女性形 男性マーマンmerman)、 メイドは乙女。海の乙女の意。 イギリスなどの妖精的な人魚や童話などでも有名なヨーロッパの人魚は、一般に美人で長い髪をなびかせ、 月夜に川や海辺に姿を現し、美しい声で歌を歌い、魅せられた船乗りや船を、水中に引き込んだり船を沈めたりするともいう。 古代ギリシャの海の精霊、神々の子、トリトンなどは童話の人魚の原型といえるか半人半魚の姿の絵が残って いる。 中国では古典の「山海経(せんがいきょう)」に、 人魚は形はナマズに似て四つ足で、人間の赤子のような声で鳴くと記されている。注に、人魚は鯢(サンショウウオ) との説明されている。半魚人に近いイメージである。 ある。 秦の始皇帝を葬ったとき、人魚のあぶらで灯をともしたというが、それは鯢(サンショウウオ)のことらしい。 日本では「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に「人魚、魚身人面の者なり」とある。 古くから目撃記録もあり「古今著聞集(ここんちょもんじゅう)」では 「伊勢国で漁夫の網に人魚がかかり、魚身で頭は人間、歯は細かい魚の歯で、顔は猿に似ていた。 人間のような泣き声で涙を流していた。 食べてみると味は格別であったと」いう。 人魚の出現を悪いことの兆候と説いた記録もある。 人魚の正体をジュゴンやリュウグウノツカイであるとする説もあり、「生息海域から考えて無理なところがある」 という向きもあるが伝説のもとになったものとしてはおかしくない。 リュウグウノツカイの奇異な姿とまれな存在に伝説があり、また沖縄のザン(ジュゴン)も食べると薬になると珍重された。 ジュゴンはマレー語のduyongが由来だというがパラオ島ではマスキウと呼び「人魚」の意味だという。 アジアのジュゴン、大西洋のマナティ、ともに生息地では人魚伝説と結び付けられているという。 1700年代のヨーロッパ人の海賊など、アメリカ近海でマナティを食べたという記録もあるがこれは単に食料不足だっただけである。 海という大自然の前に、人間はあやしい存在を想像してしまうようである。海にまつわる魔物のたぐいは世界中でみられる。 世界各地の人魚的なものをあらわす言葉(変身するもの含む) 人魚にんぎょ(日本) トリトン(男 古代ギリシャ) ネッカー(ネーデルラント[オランダ] 人魚) ネレイデス[ネーレウス](女 古代ギリシャ 海のニンフ) マスグーゲル(ゲルマン 人魚) マーメイド、マーマン(海の乙女 ブリテン[イギリス]) メリーメイド(海の乙女 ブリテン[イギリス]) シーメイドSeamaid(海の乙女 ブリテン[イギリス]) モーフォーウィンMorforwyn(海の乙女 ブリテン[イギリス] ウェールズ) マーレミンドMaremind(デンマーク) マールメンニルMarmennill(アイスランド) メリミンニMeriminni(ドイツ) メールフラウMeerfrau(ドイツ) ゼーユングフラウSeejungfrau(ドイツ) ゼーユングフェルSeejungfer(ドイツ) ローレライ(ドイツ) メロウ(ケルト、アイルランド:人魚) メルアクMerruach(ケルト、アイルランド:人魚) シレーヌSirene(フランス ギリシア神話の半人半鳥の海魔セイレンSeirenの変形) シレーナSirena(イタリア ギリシア神話の半人半鳥の海魔セイレンSeirenの変形) シレーナSirena(スペイン ギリシア神話の半人半鳥の海魔セイレンSeirenの変形) ゴルゴーナ(ギリシャ) オアンネス(シュメール・バビロニア) 海坊主(日本) 海司教(ヨーロッパ) セルキー(アザラシに変身する妖精) 鮫人jiaoren(中国) 鮫人(太平洋諸島) 参考資料 ・日本大百科全書 (小学館[執筆者:野村純一]) 関連項目一覧
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