インヘルノとも。キリスト教の伝承の地獄。
後からでてきた考え方の煉獄(ブルガトリウム)と違い、救済されることのない地獄。永劫の苦しみを受ける場所。
ただ民間では地獄、煉獄の意味は混同されていることが多いという。
ラテン語インフェルヌスinfernusが元で、イタリア語。ダンテの『神曲』全三巻の第一巻の書名になって広まったという。
ラテン語としては「下(の世界)the lower (world)」「より低くlower」といった意味。
ヘブライ語聖書ではシオウル(窖、洞窟、子宮の意)が地獄を指す語。
1374年の古フランス語infernalの記録もある。しかしより古くはローマ時代の言葉で、インフェルニが地下に住む
死者の霊魂、インフェルヌスが死者の国、地獄とされていた。
初期キリスト教の教会文書にもみられる。ハーデスの冥界の概念と結びつき怖ろしい懲罰の場になったようだ。
キリスト教的には地獄=ヘルHell(古英語「隠された」「暗い穴」)という呼称とも混在していったようだ。
また他の地獄のイメージとしてはゲヘナ、タルタロスを参照。
後期ラテン後の属格infernalis(下部領域のof the lower regions)からデーモン(悪魔)の巣窟に関わる形容詞infernalが生まれた。
ダンテの神曲から、形容詞Infernoが1834年以降英語で使われるようになったとも。
ともかく現在の地獄のイメージはダンテの著作の影響が大きいようである。
参考資料
関連項目一覧
キリスト教 【文化地域項目】 死の国 【大項目】 ゲヘナ 【ユダヤ,キリスト教:地獄】 タルタロス 【ヘレネス(ギリシャ):地獄】 プルガトリウム(煉獄) 【キリスト教:地獄】 リンボー 【キリスト教:地獄】
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