ルフ鳥、ロック鳥とも。
アラビア、ペルシャ(イラン)の伝承の大怪鳥、大鳥。
『千夜一夜物語』(アラビアン・ナイト)の「船乗りシンドバッドと軽子のシンドバッド」の物語や
マルコ・ポーロの『東方見聞録』(ルクRuch)に記述がみえる。
ペルシャ語Rukhは古い時代はRocだったという。これらは、ラルラ Lalla、ローフ Rookh(ともにほほ頬の意味)
チェスの城兵ルックrook、犀などいろいろの意味をもつという。
シンドバッドの物語では、たどりついた島には藪とドームしかない、と思っていたら空が暗くなり、大怪鳥ルフが
あらわれ、ドームではなく巨大な卵のある鳥の巣にいることがわかった。気づかれないよう
巨鳥の脚にしがみつき、うまく安全な場所へ逃れた。
千夜一夜物語レイン版のルフ鳥が3頭の象をつかんで飛んでいる図は、
王立アジア協会の図書室にある『シムルグまたはルフの図』だという。
マルコ・ポーロの記述ではフビライ・ハーンの宮廷にルフの巨大な羽根があり、
マダガスカル島に棲んでいる鳥だと伝えている。
これらは、マダガスカルの、巨大な駝鳥あるいは古代の巨鳥エピオルニス(体長2、3m 卵の直径30cm)の
ことではないかという説もある。
世界には多くの大鳥、怪鳥の神話伝承がある。
参考資料
・
千夜一夜物語〈第4〉―バートン版 (1967年)
・
世界の怪物・神獣事典 (キャロル・ローズ著 原書房)
関連項目一覧
シンドバッド【民話の主人公】
スィームルグ 【イラン:鳥の王】
鳥 【大項目】
東方見聞録 【文献,地誌:マルコ・ポーロ】
イラン(ペルシャ) 【文化地域】
イスラーム 【文化地域】
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