トロールとも。名前はスウェーデン語で「魅惑する」の意。スカンジナビアの伝承の小人(妖精、怪物)で、丘、塚、土手の中に住む。住居は金、水晶でつくられ金の詰まった櫃をもってるとも。性質は親切で人づきあいがよく気前よく金を貸し借りしたり人間と友好的な関係を持つ。しかし盗癖の習性があり、物だけでなく女性、子供も誘拐する。
ドワーフに似ているとも言われ、またはドワーフとトロルは単に別名であると、特にデンマークやスウェーデンでいわれるようだ。 ある。巨人と同一視されることもある。容姿はあまりよくなくエーベルトフトの小人は背中に大きなこぶ があり鼻は長く先がカギ野ように曲がっていたという。灰色のジャケットに赤い帽子という服装だともいう。
グリムはアリぐらいの大きさと伝える。北欧神話中で様々なトロールが語られ、スウェーデンの伝承の中の、「丘の王」もトロールとされ、地下に財宝を蓄えていると信じられている。また古代フェニキアのトルカーン・トロールは舟を巧みにあやつったという。
教会の鐘の音はトロールを追い払うといわれていて、騒音をひどく嫌いので、教会の鐘が鳴らされるようになると、その地域からほとんどのトロールが逃げ出したという話もある。神話の時代の雷神トールのハンマーにおびえていた名残だという説もある。
トロルの能力は、姿を消したり(かくれ帽があったらしい)、なんにでも変化したり、未来の予知や、ある一家に富を与えたり 貧乏にしたり、人に強い力を与えること等だという。
余談だが、トーベ・ヤンソンのムーミントロールのトロールはこの小人からきている。ヤンソンは叔父から「夜中に息をふきかけてくるトロール」の話を聞いている。
また、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)のシステム『トンネルズ&トロールズ』も知られる。こういったファンタジーゲームのトロールは、太陽の光をあびると石になる。
参考資料
・ムーミン谷への旅ートーベ・ヤンソンとムーミンの世界(講談社)
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary