猴。英語モンキーmonky(尻尾のある小型猿)、エイプape(類人猿)等。
猿は人間と似ているという点で古代から人間は興味を持っていたようで、
伝承では野蛮人、未開民族に近い扱いのものもある。
もとが熱帯性の動物なので棲息圏は広いほうではないので、神話伝承のある地域には
偏りがある。ニホンザルが雪の中で活動しているのは
多くの外国人には驚く光景のようだ。
類人猿、ヒヒ系、キツネザルなど尻尾の長い小型種などタイプの異なるものがいる。
日本では山の神の使いともされる。神聖さや、さる(去る)などの意味あいから
「ましら」など迂遠な呼称も多く存在する。賢い動物だが「猿まね」「猿智恵」
「モンキーなんだよ」と良い意味でない言い回しも多い。
トイレのしつけを覚えないせいもあるのか、犬や猫のようにペットとして 広く飼われることはないが、猿回しなどの見せ物や、信仰的意味合いで 飼われる伝統はある。
アジアでは十二支の動物で、申に猿があてられている。
中国やインドは猿にまつわる説話・伝承多い。
インドでは猿の死体はみることがないものだと考える。
・朝三暮四 猿に朝3個の、夕に4個のエサを与えたがうまくなく、朝を4個にしたら喜んだという。
結果が同じことに気がつかない、または詐術で人を侮る事。(故事は列子 黄帝編「宋に狙公なる者有り…」)
関連の猿神、猿の怪物などの項目を末尾に載せる。
参考資料
・
十二支考〈下〉 (岩波文庫)
・
世界の三猿―見ざる、聞かざる、言わざる(中牧 弘允)
・
故事・ことわざ辞典 (1980年)
他
関連項目一覧
動物 (大項目)
アイアイ (アフリカ:不吉の予兆)
三猿[見ざる聞かざる言わざる] (日本)
ソンゴクウ (中国:神)
トト (エジプト神:ヒヒ)
ヌエ (日本:一部が猿の怪物)
ハヌマーン (インド:神)
ハピ (エジプト神)
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