スカンジナビア(スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなど)の伝承の妖精。
エッダの中ではアルファルAlfarという名で記され(語源)、デンマーク語でエルヴ、スウェーデン語でエルフalf、 英語でエルフelfと呼ばれる。
エッダでは白いアルファル、明るいアルファルは天上に住み人間に対して友好的であり性質も善良、地上に住むものは 人間を傷つけたり苦しめる機会ねらうので黒いアルファル、暗いアルファルとも。(ファンタジー物でいうダークエルフの元か)
エッダ(新エッダ)の編者スノリはこの種の存在は原始の巨人ユミルの腐った屍の、 肉の中から蛆(うじ)のように這い出してきて、地に潜った者とし、それらには、明るい妖精と黒い妖精があるとしている。
またアルファルは妖精Huldre(隠れた民の意)、Hangfolk(塚の民)の起源であるともいう。妖精というより小人に近く、 山室静氏はこれらやトロールTroleなどとの区別は難しいという。
ブリテン(イギリス)の民話、伝承でもエルフがでてくるのは移民、侵入によるゲルマン文化の伝播の影響であると思われる。 「エルヴンダート」(エルフの矢、エルフの一撃)は、野外で草木などで知らないうちについた切り傷、 または古代の石器の鏃などがみつかった物などをそう呼ぶ。
さらに後代では妖精の代名詞的な扱いになり、近現代の指輪物語(J.R.R.トールキン著)などの ファンタジー小説などではより人間に近く寿命の長い、容姿の美しい亜人種(デミ・ヒューマン)的な扱いになっている。また人間との混血ハーフエルフも登場する。
余談だが、2024年前後あたりでは、「エルフ」がタイトルに入ったり、エルフが主人公として活躍するアニメ作品などが目立つようだ。(『葬送のフリーレン』『エルフさんは痩せられない』『江戸前エルフ』『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』)
参考資料
・
図説 妖精百科事典 (東洋書林)
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary