錬金術 alchimie(アルケミー)という語は、語形はアラビア語el-kimyaから、語根はヘレネス(ギリシャ)語、kimyaはおそらく ケムkhem(ケメトとも。黒い土の意。エジプトのことをいう古代エジプト語)をあらわす。エジプトを示す語があるのは、 エジプトが錬金作業の物質変成、金属変成の発祥の地、としてであるらしい。化学(ケミストリー chemistryという語は この錬金術 alchimieという語に由来している。
このような語になっているのはエジプト、ヘレネス(ギリシャ)、アラビアという経路で知識が伝わったからだ。 広義でいえば古代〜中世の中国、インドで発達した哲学・化学・医学なども錬金術という語で呼ばれるが、 現実にアラビアとインドの医学などには交流が見られる。
錬金術の目的は「賢者の石 lapidis physiciの探求」であり、その性質、力は2つあり、 1つは狭義の「錬金作業」クリュソペイア黄金変成、アルギュロペイア銀への変成などの金属変成。もう1つは万能薬パナケイア、 錬金薬Elixirエリクシール(エリクサー)であるという。
また所有者に、姿を消したり、天使たちを指図したり、思いのままに空を飛ぶなどの力を与えるとも。
錬金術師については医師パラケルスス (フィリップス・アウレオルス・テオフラスツス・ボンバスツス・フォン・ホーエンハイム))、 マイセン磁器を生んだ錬金術師ヨハン・ベントガー、シャルル7世の財務卿で賢者の石を発見したというジャック・クール(1395頃-1456)、 不死の人とよばれたサン・ジェルマン伯、またカリオストロなど今後項目をもうけていきたい。
また、ドイツの錬金術師ヘニッヒ・ブラントは鉱物の「リン」の発見をしている。
ヨーロッパ | 【文化地域項目】 |
ヘレネス(ギリシャ) | 【文化地域項目】 |
エジプト | 【文化地域項目】 |
カリオストロ | 【ヨーロッパ:魔術師、錬金術師】 |
パラケルスス | 【ヨーロッパ:錬金術師、医学者】 |
賢者の石 | 【錬金術、万能薬】 |
赤い石 | 【ヨーロッパ:錬金術:賢者の石】 |
イリアステル | 【錬金術、第一質料】 |
エリクサー | 【ヨーロッパ:錬金術:万能薬】 |
ヘルメス・トリスメギストス | 【ヨーロッパ:魔術・錬金術:神】 |
ホムンクルス | 【ヨーロッパ:錬金術:人造人間】 |
レンタンジュツ(錬丹術) | 【中国:仙人:霊薬、不老不死】 |
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